中小企業診断士 自動採点問題集

中小企業診断士 練習問題【10】 -企業経営理論-
事業部制を業務管理のた似こ残し、いくつかの事業部にまたがって事業戦時の策定・実行、そして資源配分を自己完結させる事業単位を戦時的事業単位(SBU)と呼んでいる。この戦略的事業単位の特徴について、誤りであるものを1つ選べ。
1. 命令一元化の原則の排除による指揮命令系統の混乱が生じる。
2. 他の事業とは異なった明確に識別される使命を持っている。
3. 事業単位において、明確な競争業者を有している。
4. 売り上げや利益が把握できるような利益責任単位として機能している。
(10点)
日本の会社は株主を軽視しているといわれている。具体的には、欧米に比べ配当性向が低いことやインベスター・リレーションズ活動、ディスクロージャー制度の未整備などによる。このインベスター・リレーションズ活動とディスクロージャー制度に関する説明として、誤りであるものを1つ選べ。
1. IR活動が現在の投資家だけに対する自発的な伝達であるのに対して、制度的ディスクロージャーとは法律に義務づけられている投資家に対する強制的な伝達である。
2. IR活動の情報内容は任意情報だが、制度的ディスクロージャーは会計情報である。
3. IR活動の開示内容は創意工夫が生かせるが、制度的ディスクロージャーは自由裁量の余地は少ない。
4. 情報開示の責任としては、IR活動はトップの経営姿勢が問われるが、制度的ディスクロージャーは法的責任を問われる。
(10点)
所有者である株主は配当やキャピタルゲインを目的としている。そして経営は専門知識を持った経営者に委託している。株主が経営に参加できる唯一の機会が株主総会であり、この場で経営者が忠実に委託に答えるように議決権、提案権が行使できるようになっているが、そこには、株主と経営者の対立の構図が見える。そこで株主と経営者が経営上の問題点や改善点を話し合いによって見つけていくコーポレート・ガバナンスという考え方が生まれた。  このコーポレート・ガバナンスに関する説明として、誤りであるものを1つ選べ。
1. コーポレート・ガバナンスの態様には、「オープン型」と「インサイダー型」がある。
2. 日本における企業統治の特徴として、「株主主権」の考え方が支配的になっている。
3. エンジェルや機関投資家、ベンチャーキャピタルが投資する場合の企業評価基準として企業統治のあり方を重視している。
4. 執行役員制度とは、取締役会のスリム化と経営の透明性確保、意思決定の迅速化を目的に取締役の数を削減し、実際の事業を執行する担当役員として日常業務に専念できるようにした制度である。
(10点)
経営戦略の主題は、企業が成長するための活動領域(ドメイン)を決定することである。このドメインを決める枠組みについては、アンゾフが成長ベクトルと呼ばれる2次元モデルを示している。これは、市場浸透戦略、市場開拓戦略、製品開発戦略、多角化戦略の4種類のパターンを示した理論として有名である。次の4種類の戦略の説明のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. 市場浸透戦略は、現在の製品市場分野のままで売上高や市場占有率を増大させることにより成長を図る戦略である。
2. 市場開拓戦略は、現在の製品分野を新しい市場分野に適合させることにより成長を図る戦略である。とくに、マーケテイング関連のシナジーが高い場合に有効な戦略である。
3. 製品開発戦略は、新しい製品分野を現在の市場分野に投入することにより成長を図る戦略である。とくに、研究開発能力、生産技術などにおけるシナジーが高い場合に有効な戦略である。
4. 多角化戦略は、製品分野、市場分野ともにまったく新しい分野に進出することにより成長を図る戦略である。上記の3つの戦略と区別して、拡大戦略と呼んでいる。
(10点)
多角化戦時の検討・策定には「範囲の経済性」と「シナジー」という概念が重要である。アンゾフは多角化戦時について、水平的多角化、垂直的多角化、集中型多角化、集成型多角化の4つのタイプを示している。次の4種類のタイプの説明のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. 水平的多角化は、既存製品と同じタイプの顧客に対して新製品を販売する場合を指す。従来のマーケテイング・チャネルを利用できるため、マーケティング面でのシナジーが期待できる。
2. 垂直的多角化は、既存製品の生産段階や流通段階に対して多角化する場合を指す。これは、前進的多角化と後進的多角化とに分けられる。
3. 集中型多角化(同心円的多角化)は、既存製品と新製品との間でのマーケティングと技術面の双方、またはいずれか一方に関連を持たせながら多角化する場合を指す。
4. 集成型多角化(コングロマリット型多角化)は、既存製品と市場の双方にほとんど関連のない新しい分野へ参入する場合を指す。複数の異なった分野の事業を展開するので、環境変化への対応として企業全体の安定化を図ることができない。
(10点)
企業が多角化する動機に関する次の文章のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. 製品ライフサイクルの衰退期を迎えると需要自体が減少する。特に主力製品の不振は企業の存続にも影響を及ぼすため、新しい分野への対応としての多角化戦略を採用することになる。
2. 商品に季節変動があったり、流行による需要の変動がある場合、売り上げに偏りが生じることになる。この偏りを平準化するために、多角化戦略を採用する。
3. 単一製品のみの生産や販売を行っている場合、他社製品との競争や需要動向などにより企業経営は損害を被ることになる。このため、既存分野とともに新分野への多角化戦略を採用し、複数の活動領域を持つことによってリスクを分散させることが可能になる。
4. 資金、設備、技術、信用、ブランドなどの組織スラック(未使用資源)を有効に活用し、新分野への進出が可能になる。組織スラックを活用して新規分野へ進出して複数の事業展開を図る「規模の経済性」という概念につながるものである。
(10点)
M&AのMは合併のことで、Aは買収のことである。合併とは複数の企業が1つの企業に合同することで、買収とは企業の株式や営業権などの経営資源を取得して、その企業の経営に関する全権を獲得することをいう。次のM&Aの手法の説明のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. TOBとは、ある企業の支配権の取得または強化を目的として、「一定期間内に一定数量以上の株式を、一定の価格(通常は時価を超える価格)で買い付けることを公表して行う株式の買い付け」のことである。
2. LBOとは、買収先企業の資産を担保として資金を調達し、企業を買収する手法である。少ない自己資金でも大規模買収が可能である。
3. MBOとは、子会社、グループ会社、企業の事業部門などにおいて、そ れらの行っている現在の事業の継続を前提として、現在の経営者・事業部門責任者および外部の投資家(ベンチャー・キャピタルなど)により構成されるグループが株式を買い取ることなどにより、経営権を取得する手法である。「敵対的M&A」手法として注目されている。
4. MBIとは、MBOの1類型で、買収対象会社の外部のマネジメントチーム(同一業界の経験を有する者か、会社再建の経験を有する者など)が買収を行う。投資会社などが、後継者不在や業績不振、公開延期などの問題を抱えた企業の株式の過半数を取得したうえで、社員やマネジメントチームを派遣し、経営に参画するもの。
(10点)
次の文章のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. 株式交換制度とは、売り手企業の株主に現金を支払う代わりに、自社株を割り当てることにより、企業買収が可能となる制度である。
2. 株式譲渡とは、売り手が譲渡企業の既存の発行済み株式を買い手に譲渡することによって、経営権を譲渡する形態である。
3. 新株引き受けとは、買収対象企業が新たに発行する株式を、譲渡企業が優先的に割り当てを受けて取得する「第三者割当増資」を行い、それを買い手が引き受ける形態である。
4. 営業譲渡とは、ある事業に関する「営業財産」を買い手に譲渡する方法である。一部事業を譲渡したい場合には有効である。営業の全部を譲渡するときのみ株主総会の特別決議が必要である。
(10点)
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは、多角化企業の製品や事業を、相対的市場占有率と市場成長率の2つの座標軸を使って4つに分類し、各製品事業の市場ポジションを客観的に評価することにより、企業全体の経営資源の適正配分と個々の製品事業の目標設定を考えようとする手法である。4つの分類の説明のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. 問題児とは、市場成長率は高いが、相対的市場占有率が低い製品である。競争上の地位が低いため、キャッシュをあまり生み出さない。市場成長率が高いので、市場に存続するために大きな資金を投入する必要がない。
2. 花形製品とは、市場成長率、相対的市場占有率ともに高い製品である。競争上の地位が高いため、大きなキャッシュを生み出すが、市場成長率も高いのでキャッシュを多く投入しないと市場地位を失ってしまう。
3. 金のなる木とは、市場成長率は低いが、相対的市場占有率は高い製品である。競争上の地位が高いため、大きなキャッシュを生み出す。一方、市場地位確保に大きな資金を投入する必要がない。
4. 負け犬とは、市場成長率、相対的市場占有率ともに低い製品である。競争上の地位が低いため、キャッシュをあまり生み出さない。この分野への投資は極力回避されるべきである。
(10点)
PPMは、ボストン・コンサルティング・グループが1970年代初めに開発した事業管理の手法である。その問題点について述べた次の文章のうち、誤りであるものを1つ選べ。
1. PPMにおいては、分析の対象になるものがすでに手掛けている事業であることが多く、新規事業開発という重要課題が無視されている。
2. 4象限だけで戦略的示唆を決定するのは単純すぎ、実際には縦軸、横軸とも中位のポジションで4つのマスに収まらない事業も存在する。
3. 各セルの使命の原則論を機械的に適用しようとするため、花形製品以外の事業部門ではモチベーションが喚起されにくいという欠点がある。
4. PPMにおいては、企業内部のキャッシュフローが主要な評価基準となるため、経営資源の蓄積などの質的な評価、各事業間のシナジーが考慮されない。
(10点)